「痛みを取ってほしい」の先にあるもの
初回のカウンセリングで必ずうかがうことがあります。「痛みが取れたら、何がしたいですか」。この問いに答えが返ってくる方は、経過がよくなる傾向があります。買い物に自分で行きたい、孫と歩きたい、また畑に出たい。目的がはっきりしていると、通う間隔も、家でやることも決めやすくなるからです。
痛みは目的ではなく、結果です
腰が痛いという状態は、腰に負担が集まった結果です。負担を集めている動き方が変わらなければ、その場でほぐしても数週間で戻ります。「前も同じところが痛くなった」という方が多いのは、そのためです。
だから、動き方から確かめます
当院では、痛む場所を触る前に、股関節と足首の動く範囲を測ります。立ち方と歩き方も見せていただきます。腰の痛みで来られた方の原因が、足首の硬さにあることは珍しくありません。
数字で見ていただく理由
可動域の角度、10m歩く速さ、歩幅。これらを毎回記録して、前回と並べてお見せします。感覚だけでは「良くなった気がする」で終わってしまい、続ける理由が持てないためです。
ご自宅で続けていただく3つ
お伝えする運動は2〜3種類に絞ります。多く出しても続かないからです。ここでは、多くの方にお伝えしている基本の3つをご紹介します。いずれも痛みが出ない範囲で行ってください。
- 足首を回す 椅子に座り、片足を軽く浮かせて足首をゆっくり10回ずつ回します。足首が硬いと、立ったときの重心が前後どちらかに寄り、腰に負担が集まります。朝と晩の2回が目安です。
屋外を歩く機会が減ると、足首を大きく使う動きも減っていきます。 - 座ったまま骨盤を前後に倒す 椅子に浅く腰かけ、背骨を丸める・反らすをゆっくり10往復。腰そのものを動かすのではなく、骨盤から動かす感覚をつかむための運動です。デスクワークの合間にもできます。
- 片足立ちを10秒 壁に手を添えて、左右10秒ずつ。ふらつく側が、負担のかかっている側であることが多くあります。転倒が心配な方は、必ず何かにつかまって行ってください。
片足立ちは、歩く力を保てているかを見る目安にもなります。
痛みが出る動きは行わないでください。運動中に痛みやしびれが出た場合は、すぐに中止してください。これらは一般的なご案内であり、すべての方に適したものではありません。
通えなくなったあとのこと
「そのうち通えなくなるから」と、通院そのものをやめてしまう方がいらっしゃいます。当院が訪問施術を始めたのは、その言葉を何度も聞いたからです。
- ご自宅や施設へうかがいます。当院から8km以内が対象です。
- ベッドや布団の上で行うため、特別な準備は要りません。
- 通院と同じ施術者が担当します。一から説明し直す必要はありません。
ご本人以外からのご相談でも構いません。ご家族、ケアマネジャー、施設のご担当者からのご連絡を承っています。手技の考え方は当院の手技に、お悩み別の対応はお悩み別にまとめています。


